「The Home」:人間と空間の関係性を照らす、Nima Keivaniの独自なランプデザイン

自然の四要素と意識の象徴を組み合わせた、新たな照明体験

建築家であるNima Keivaniがデザインしたランプ「The Home」は、人間と空間の関係性を照らす独自のアイデアに基づいています。このランプは、自然の四要素と意識の象徴を組み合わせた、新たな照明体験を提供します。

Keivani氏によれば、建築とは場所の精神を具現化し、意味のある場所を通じて人間が存在に気づく手助けをすることだと言います。その考え方が、「The Home」のデザインの中心に位置づけられています。人間が最も基本的に接続する建築は家であり、家という環境は、人間、光、空間との間に親密だが不可解な関係を生み出します。これが、心地よさと安心感をもたらす要素となります。

このランプには、自然の四要素を形成する四つの家の形が用いられています。そして、その中心には光が配置されています。光は、意識と優れた存在を象徴しています。また、光の立方体は太陽の回転方向に回転するように設計されています。これは、現代の建築の特徴であるコンクリートのフレームが、場所の精神と人間の実在を無視した状態を表しています。

ランプの製作には主に銅のパイプが使用され、それらは溶接されています。中心部の光源は、マットなプレキシガラスとLEDで構成されています。また、コンクリートのフレームは、引張強度を高めるためにGFRCガラス繊維を使用した軽量コンクリートで作られています。このランプの調光器は、電子チームによってカスタムメイドされています。

ランプの操作は非常に独特で、銅が導電性を持つため、ランプの銅部分をどこでも触れることでオン/オフが可能です。また、ランプを何度もタップすることでLEDの明るさを調節することもできます。これにより、ランプを操作するための黒いメタルボックスが不要となり、ランプ自体がより彫刻的な見た目を持つことが可能となります。

このランプは、2017年6月にイランのテヘランでデザインされ、同年8月に製作されました。デザインの背後には、家とランプを結びつける概念についての深い研究があります。デザイナーは意味を求めてアプローチを試みましたが、直感的に主題に取り組むこともありました。このランプは、現代の冷たい生活と魂の平和と感じる必要性との間の混乱を示す、銅製の暖かくリラックスした家と冷たいコンクリート製の家の対比を表現しています。

このデザインは、2022年のA' Lighting Products and Fixtures Design AwardでIron賞を受賞しました。この賞は、プロフェッショナルで産業要件を満たすように設計された、実用的で革新的な創造物に授与されます。業界のベストプラクティスと適切な技術特性を統合し、満足感とポジティブな感情を提供し、より良い世界に貢献することが評価されます。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: Nima Keivani
画像クレジット: Nima Keivani
プロジェクトチームのメンバー: Designer: Nima Keivani, Designer Sina Keivani
プロジェクト名: The Home
プロジェクトのクライアント: Keivani Architects


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